建築系企業の意匠設計職や、インテリア、空間デザイン系の企業の設計職に就職希望の人が3回生・院生1回生(M1)の夏に就活にむけて動き出さなければならないのが、ポートフォリオ制作です。

ポートフォリオの作り方を、一つの例として紹介します。


ポートフォリオとは?

ポートフォリオとは、大学在学中又はそれ以前で設計授業やコンペ、プロポーザルなどで提出・応募した自分の作品をまとめたものです。

設計職は、自分の性格やアピールポイントなど普通の企業の就活面接と同じことをしますが、それに加えて設計力・デザイン力、またCADやAdobeソフトなどのスキルがどれくらいあるかもアピールしなければなりません。

そこで用いるのがポートフォリオです。

自分の能力が100%伝えることができるポートフォリオを目指して制作しましょう。

ポートフォリオが必要となる職種

アトリエ系設計事務所

アトリエ系設計事務所を希望する場合は、必ずといって良いほど必要になります。

有名な設計事務所であればあるほど、ポートフォリオの内容も厳しく見られます。

特に、コンペなどの入賞歴も大きな評価対象として位置付けられているところが多く、学生時代にコンペに積極的に参加し、賞をとることも必要です。

組織系設計事務所

求められることが多いです。

特に、日建設計、日本設計など大手の組織系設計事務所であるほど質の高いポートフォリオが必要となります。

ゼネコン

スーパーゼネコンと言われるような大手ゼネコンの設計職はほぼほぼ求められます。

スーパーゼネコンの設計職は組織系設計事務所と同じくらい設計力が求められるため、ポートフォリオの出来は大切です。

店舗設計・空間デザイン系の企業

ほとんど必要になります。

特に、空間デザインやインテリアの事務所であると、建築作品のポートフォリオではなく、内装や空間デザイン、インテリア作品のポートフォリオが必要となることがあります。

提出要項に書いていなくても、空間デザインの作品をのせることが望ましいです。

空間デザイン系の学科やコースの人は授業で内装設計の課題作品がありますが、建築系学科の人は、自分でコンペなどに応募して、作品を作る必要があります。

デパートなどのインテリア部門

デパートなど全く建築や空間デザインに関係ない会社でも、大手になると、インハウスの設計部を持っている場合が多く、そこに就職希望の人は、ポートフォリオが必要となります。

そこでも、建築作品のポートフォリオではなく、空間デザイン・インテリア設計のポートフォリオを提出することが望ましいです。

ハウスメーカー

ハウスメーカーの設計職はポートフォリオを求められることが多いです。

しかし、アトリエ系設計事務所や組織系設計事務所などに比べると、それほど質の高いポートフォリオは求められません。

ハウスメーカーの設計職は、自分で自由に計画から設計する訳ではないためです。

工務店

工務店によります。

自社内で設計・施工を完結するから工務店の場合、求められることがありますが、基本的に人間性の方を重視される傾向があります。

※全て設計職の場合です。

※これが全てではありませんので、就活時には、面接を受けたい会社の要項を確認してください。

ポートフォリオを使う場面

まずはポートフォリオをどのような場面で使うのか考えると、自然とどんなポートフォリオを作る必要があるのかが分かります。

メジャーなのは以下の通りです。

  1. 願書と一緒に先にポートフォリオを送って、書類審査材料としてのみ用いられる場合
  2. 願書と一緒に先にポートフォリオを送って(書類審査材料としても使われる場合もある)、面接に行った時に面接官からポートフォリオの作品を元にいくつか説明を求められる場合
  3. 願書と一緒に先にポートフォリオを送って(書類審査材料としても使われる場合もある)、面接に行った時に面接官からポートフォリオを渡され(面接官は先に目を通している)、その場で持ち時間以内にプレゼンを求められる場合
  4. 面接時にポートフォリオを持参し、持ち時間以内にプレゼンを求められる場合

ポートフォリオ制作のコツ

1.電子データで作る

綺麗な仕上がりにするためももちろんありますが、もう一つの理由は、ポートフォリオ提出のサイズが企業によって異なる場合があるからです。

先に願書と一緒に求められる場合A3 2枚以内などと指定されることがあります。

そうすると、せっかく冊子に仕上げたのに、そのままでは提出できないなどということが起こります。

その時、電子データで作っていて、.aiデータで保存しておくと、後から必要なデータだけを抽出し、すぐにレイアウトし直すことができます。

手書きで色をつけたり、スケッチを書いたりしている作品については、スキャンしていつでも用紙サイズを変更して出力できるようにしておくのが良いでしょう。

2.量より質

まず、ポートフォリオ制作のコツは、量より質を心がけることです。

大学の課題作品を載せる場合、陥りがちなことが、作った作品を全て載せてしまうことです。

作品数が多いとポートフォリオが充実しているように思えてしまいますが、逆効果になります。

コンペの受賞歴が多くそれを全て載せているという人は別ですが、おそらく一般の人は、大学の授業の作品とコンペの作品で受賞したものがあったりなかったりというところだと思います。

ポートフォリオは自分の作品を良く見せることが最も重要ですので、全て載せるとポートフォリオの質が平均になってしまいます。

それに、面接官はコンペとは違い、一人一人の作品をそんなにじっくり読む時間がありません。

掲載作品の多いものは全て読まれることなくパラパラと読み飛ばされることもあるため、たまたま目に留まったのがそれほど自信のあるものでなかったら、評価が下がってしまします。

自分の作品の中で最も自信のあるものから、絶対に見て欲しいものを3〜5つを載せるのがベストです。

3.共同作品を入れる

建築は一人最初から最後まで作り上げることはでないため、協調生やチームワーク力が求められます。

共同作品からチームワーク力をアピールすることができます。

ただし、共同作品が多いと、自分の個人としての能力をアピールすることができないので、

個人の作品があくまでメインで、共同作品は過半数以下にしましょう。

4.文字の大きさを考える

面接場で持参したポートフォリオでプレゼンする場合、面接官はポートフォリオの内容は初見になります。

面接官は3人くらい居ることが多いため、その人達の前でプレゼンすることになりますが、文字が小さいと全く読めません。

プレゼンシートなど多くの場合、文字を小さくするとかっこよく見えるので、ポートフォリオも小さな字で作る人がいます。

しかし、ポートフォリオは伝わらなければ全く意味がないため、重要なところは相手が読めるような大きさの文字で書く必要があります。

基本的には、プレゼン時は自分でポートフォリオを持って、面接官の目の前で話すので、その距離などを想像してそれでも見えるくらいを考えるのがベストです。

5.文字のスペルミス、文法に気をつける

ポートフォリオも履歴書と同じくらいの正確性が求められます。

特に設計という職業はミスが許されない仕事であるため、ポートフォリオにミスが目立つと評価が下がります。

作り終わったら、全て見直しましょう。

また、文法も統一感をだすように、ですますとであるの混在は避けましょう。

おすすめはである調です。



6.簡潔にまとめる

長い文章はわかりづらくなるため、簡潔・シンプルで読みやすい文章を心がけましょう。

伝えたことが埋もれてしまって、伝わらなければ意味がありません。

写真や図をテキストとうまく組み合わせることで、ミニマルに仕上げることがコツです。

7.表紙の後に自己紹介を入れる

履歴書と一緒に送る場合、せっかく履歴書意外にもアピールできる素材が許されているので、軽く自己紹介を入れるほうが、印象付けることができます。

コンペの受賞歴や、自分の普段の写真(自分らしい写真など)を載せておくと、履歴書からは分からない自分の良さを伝えることができます。

ただし、自己紹介が長すぎるのはイメージが必ずしもプラスに転じるかどうか分からないので、ほどほどに。

8.後ろのページに建築以外の活動も入れる

もし、建築意外に部活動で成績を残したり、ボランティア活動で社会貢献をしたり、趣味のプログラミングでソフトを作ってみたり、起業してみたりといった、他の人とは違う経験があれば、それも載せておくと面接の時に話を振ってくれます。

余分にアピールすることができる場合が多いので、載せておくと良いと思います。

私は、組織設計事務所を3社ほど受けましたが、話のネタにもなりすべて高評価でした。

建築以外の活動を入れると評価が下がるということは基本的にはないと思いますが、責任は取れないので、余計なことはしたくない!という人は、やらないほうが良いかもしれません。

9.早めに作っておく

組織系設計事務所などは、エントリー時期がとても早く、三回生の12月くらいからは注意していないと、エントリー期間が終わってしまうこともあります。

早めに作っておくことに損はないです。

 

ポートフォリオ制作は、めんどうなイメージがあり後回しにしがちですが、意外と時間がかかるものなので、時間のある三回生の春休みや夏休みから作り始めておくのが理想です。

一人で作るのが不安な場合は研究室の先輩や友達に相談してみると良いと思います。

ポートフォリオ作りの参考になる本

参考になる画像をネットで検索したり、先輩に聞いたりしながら作るのをお勧めしますが、

人気の企業を受けるためライバルが多いなどの状況の人は、

しっかし就活のポートフォリオとはなんなのかを勉強して作戦を立てた方が良いです。

おすすめの参考書を紹介します。

人の心を動かす三ツ星ポートフォリオの企画「虎の巻」

採用担当者の心に響くポートフォリオアイデア帳

これらは、就活に特化したポートフォリオなので、ぜひ勉強してみてください。