ミニマルデザインとは

 ミニマルデザインとは、無駄な要素を削ぎ落として、必要最小限の機能に絞って設計することです。本質をクリアにし、際立たせます。メッセージを直線で伝えられるため、分かりやすく、デザインの究極といえるかもしれません。しかし、単に必要な要素以外すべて削ぎ落としてしまうわけではなく、コンセプトや伝えたいことを際立たせる余白をつくることも重要となります。

ミニマルデザインは、メリットが多くあり、

・美しい
・わかりやすい
・伝わりやすい
・こわれにくい

などが挙げられます。一方、ミニマルにすることによるデメリットもあり、

・比率やデザインが下手だと、単にダサくなる
・不便

などが、時と場合によって生じてくるかもしれません。

 また、建築やインテリアに関しては、ディティールをシンプルに仕上げるために、既製品を使わず特注品を使うことも多々あるため、構成要素は少ないにも関わらす、他に比べてミニマルデザインにすることによって、コストが高くなる場合があるという点もあります。

 そして何と言っても、デザインの難しさは大変重要な点で、建築やインテリアだと、空間の寸法や比率、また、プロダクトやレイアウトだと、グラフィックやタイポグラフィー、カラー等などの構成要素の微妙な加減が少しでもズレるとシンプルであるがゆえに、すぐに目立ってしまいます。そういったことを考えると、デザインをシンプルに、ミニマルにしていくことは、とても難しいことですなんですね。

Less in more

出典 https://www.youtube.com/watch?v=AhxOGhFKetQ

 最近、ミニマルライフなどの生き方がよくメディアに取り上げられているので、「Less is moer」という言葉は、建築やデザインに従事していない人でも聞くようになったのではないでしょうか。この言葉を残した、モダニズム建築の体現者であるミース・ファン・デル・ローエは、ル・コルビジェ、フランク・ロイド・ライト、ヴァルター・グロピウスと並ぶ近代建築の四大巨匠の一人としてでも有名ですね。

 この「Less is moer」は、シンプルであることのよさを、実にシンプルに表している名言で、直訳すると「より少ないことは、より豊かなことである」という意味です。ミースの考え方は、約1世紀った今でも多くの建築家やデザイナーに受け継がれています。

God is in the detail

出典 http://cyork.format.com/us-tour#1

 「Less is moer」を残したミース・ファン・デル・ローエは、「God is in the detail」という言葉も残しています。(本当はドイツの美術史家 アビー・ウォーバーグが由来だとも言われていますが、、)

 これは、「神は細部に宿る」という意味で、一見シンプルに見えるかもしれないが、そのシンプルなデザインを実現するには、実は見えているものより多くの時間と努力が必要であるとう意味が込められています。デザインの中でディテールは機能に関与してこない部分であるため、見落としがちですが、ミニマルデザインを実現するためには、一番重要な点です。

素材を活かしたモダニズム建築

出典 https://www.youtube.com/watch?v=AhxOGhFKetQ

 モダニズム建築は、機能的、合理的な造形理念に基づく建築のことです。産業革命以降の工業化社会を背景として、1920年代に機能主義・合理主義の建築として現れました。19世紀以前の様式建築の意匠を否定し、鉄やガラス、コンクリートなどの工業生産による材料を用い、それらの材料を活かした構造・表現をすることで建築の設計をします。これはミニマルデザイン建築のスピリッツに通じます。

 モダニズムやミニマリズムにおいて重要になってくるのは、素材の理解です。その素材を活かすデザイン、設計を行うことがモダニズムやミニマリズムの良さの主張といえるのではないでしょうか。

 ただ、モダニズム建築の話をすると、ポストモダン建築やネオ・モダン建築、現代建築などが出てきて、複雑になってくるので、モダニズムの話はこのへんにします^^;
また、考え方が通じるところはありますが、ミニマル建築=モダン建築ではないので、そこもお間違えなく!

 モダニズム建築の例としては、バウハウス校舎(グロピウス)、バルセロナ・パビリオン(ミース・ファン・デル・ローエ)、サヴォア邸(ル・コルビュジエ)などが有名です。

モダニズム建築の評価

出典 wikipedia

 とは言っても、モダニズムのデザインがどう評価されているのか気になるかもしれないので、最後に一応載せときます。
モダニズム建築はシンプルでミニマルなデザインとして最近では好評価をする人も増えてきていますが、モダニズムの建築はつまらない・退屈なデザインであるとう評価を受けることも多々あります。その理由として、wikipediaの記事によると次のように記されています。

 "モダニズム建築の良さは、一般に理解されにくい。例えば、「ミースのシーグラム・ビルディングやSOMのリーバ・ハウスは、デザイン的にも機能的にもきわめて優れたモダニズムの超高層建築であるが、その優れた点をきちんと理解していないその後の建築家らが、表面的な物真似をして、平凡で粗悪な、四角い箱というだけの無味乾燥な超高層建築を作り続けたために、モダニズム建築は誤解され、批判ばかりを助長する結果となった」というような言い方をされることがある。これは、おそらく正しいことを書き記しているのであろうが、素人には、十分に理解できないところがある。
その理由として、モダニズム建築のよさ、または、よいモダニズム建築とそうでないものとの違いを、単なる表層に限ることなく、機能や思想まで含めて、具体的に、具体例をもって、示さないからである。
したがって、感覚的にしかモダニズム建築の良さが理解できない面があり、「この作品は、とても端整である」といったイメージの評価や抽象的な評価に留まることがある。この点については、建築家でさえ全ての点を理解できないことがあるのだから無理もないとする意見がある一方で、モダニズム建築の優れた点を素人にも判るレベルで具体的に示す努力を怠ってきた建築家や建築評論家への批判もある。"

 と、あります。

 シンプルデザインでわかりやすいと思いがちですが、深い理解が必要なんですね。